いきぬき或いはいきざま

オタクの話や日常のあれこれ

今週は現場があったような気がした

新型コロナが世界的に流行してから早数ヶ月。

2月23日に中野サンプラザで行われたスタプリ感謝祭を最後に、私の現場の予定はひとつひとつ中止または延期となった。

少し広いキャパで開催が決まっていたえいたそのワンマンライブも、

結成30年を迎えたEins:Vierの主催イベントも、

とっつーが坊主頭になって北海道で稽古をした「屋根2020」も、

佐野くんのいくつかの舞台もトークイベントも、

毎年あったLEVINくんの誕生日イベントも、

行く気満々だった現場だけでも、これだけが私の予定表から消えた。

 

でも、私が推している人達はとても優しい。毎日必ず誰かがSNSをアップしたり、ブログを書いたり、動画配信をしたり、YouTubeに投稿したり、ファンへの発信を止めず、頻度を上げてくれた。結果、私は自粛期間中も多忙で寂しくなかった。

そもそも私は出不精で人見知りなのだ。家にいて、推し達から何かを受け取ることができていたらありがたくて、時々課金できるアイテムや配信にその気持ちを乗せる。ネット上でコメントを送る。そんな日々に穏やかにアジャストしていた。

 

そんな中、今週末がやってきた。

緊急事態宣言が解除されて、少しずつ、有料の作品としての配信が始まった頃。

ジャニーズ事務所は「Johnny’s World Happy LIVE with YOU」と題して横浜アリーナで収録したライブ映像を毎日配信し、6/19金曜日は我らがA.B.C-Zの配信日だった。

テレワークで自宅から仕事をしていた私は、配信開始の直前19時59分まで仕事をして、パソコンを閉じるとすぐ、iPadでライブを再生した。

録画したものであっても、SNSで呟く余裕がなくても、リアタイ再生することでライブ感を楽しむことができた。

セトリが、お金を払って視聴するファンのことを考えたコンサートのような内容だったのも良かった。A.B.C-Zはコンサートに足を運ぶファンを想って考えるような驚きを30分の配信ライブの中に織り込んできた。アルバム発売が発表されているわけでもないのに新曲を3曲も入れたり、去年のコンサートで歌わなかった曲を披露したり。

観賞後の充実感は、コンサートとは別物ではあっても、満足度の高いものだった。時間や距離の弊害なく、2500円〜3000円のチケットを購入すれば、誰でも共有できることも良かった。その分ライブ後お決まりのSNS上のレポがほぼないのは多少寂しくもあったが、配信期間中に何度でもリピート視聴できるのはありがたい。初見はかっこいい尊いすごいかっこいい尊いで記憶がほぼないものだ。あなたが見たものは現実だよと確認できる。後から「あの曲の振り付けは塚ちゃん」と分かれば、その情報を胸に繰り返し楽しむこともできる。

 

翌日6/20土曜日は、でんぱ組.inc神聖かまってちゃんの2マンライブ「でんぱをかまってちゃん “星降る引きこもりの夏休み”」だった。こちらはまさに「ライブ」で収録ではないライブ配信

これまででんぱ組は6人が別々のブースに入って歌う配信ライブは1度開催していた(素晴らしかった)が、ダンスありのライブは初めて。自粛期間を経たメンバーのダンスとライブのパフォーマンスをやっと目にすることができた。

個人的に、コロナ以前であっても身長が低い私はでんぱ組のライブハウスのイベントにほぼ行ったことがない。赤坂ブリッツのイベントや昨年のえいたそワンマンで秋葉原のライブハウスに参加したことがあるが、男性客の比率が高い会場では埋もれてステージがなかなか見えないのだ。しかし、オンラインではその心配はない。当然だけど、視界が良好、よく見える。これはオンラインの大きな利点だ。

 

そして今日6/21日曜日は朗読劇「うち劇 『タイムリープガール〜80'sソングストーリー〜歌のヒットパレード〜』」の配信があった。でんぱ組からえいたそと梨紗ちゃん、リルネードのしどみんの3人が出演する歌たっぷりの朗読劇。

個人的にはこれが1番現場と近い感覚を味わえた。ライブはファンの盛り上がりだったり、ファンサ(レス)だったり、その場でメンバーとファンが作り上げていく要素が大きいから、その要素が少ない朗読劇で差分の少ない作品を届けられるのは当然と言えば当然である。

オンライン朗読劇は、画面の先の観客のために演出が作られ、アフタートークではチャットのように感想を出演者が読んで反応する。このやりとりの具体性という点においては実際の劇場で開催するよりも優位性もあるかもしれない。

もちろん作品の内容によっては息の張り詰めるような静かな劇場のステージからセリフを発する事でしか伝えられないものもあるだろうし、朗読以外の表現が多くなれば配信では困難が出てくるだろう。でも映像ならではの表現を加えた朗読劇は新しいエンタメの形に思えたし、満足度の高いものだった。リアタイできるマチネだけにしようと思っていたのに、思わずソワレも購入して夜遅く先ほど観た。これがアーカイブの力。

ずっと画面に映っているので、メインキャストは常にアップで見られているわけであり、一瞬も気を抜くことができなくて大変そうだと思った(舞台でだって気を抜いてないとは思うけども)。

 

今週末は、自宅に居ながらにして4つの現場に参加し、いやこれを現場と呼ぶのかは分からない。

だけどチケットを買って、ライブを見て、尊さを感じて、パワーを貰って、もうこれは実質現場だった。

まるで現場があった週末が終わるときのような感覚を味わっている、そんな日曜だった。

 

終わりに、

是非、それぞれ1週間くらいアーカイブ視聴期間があってまだ観られますので、オンラインだしなーと距離を置いていた方にもお勧めしたいです。

そして自由に会場にお客さんをたくさん入れてライブやお芝居ができる日が来ても、オンライン配信の良さは残して、多くの人がエンタメに触れられる機会が増えると良いなと思ってます。